老後年金問題
続いて、いくら受給されるか分からないという方も多い年金について。
40代ともなれば、厚生年金や国民年金は20年、25年と納めていらっしゃると思いますが、受給額についてはよく分からないという方が多いと思います。
実際に現在40歳の人が65歳になったときの年金の受給額を大雑把に計算すると、40歳で年収は税込約800万円の会社員を例に挙げて試算してみます。
仮に年収800万円があと25年続くと仮定して65歳から年金を受給開始した場合、現在の水準額では年額220万円弱、月額換算で約18万円の受給額となります。
年収が税込800万円の人でも公的年金が月額20万円以下ですから、定年退職まで住宅ローンを完済できない場合は、年金の中から返済を行うことになります。
住宅ローンの賢い借り方
自分と家族のライフプランを考える
このように、40代は現役生活の終わりが見えているため、残りの約20年間で子どもの教育費と自分や配偶者の老後生活、そして、マイホームの取得と住宅ローンの返済について、上手に折り合いを付けなければならないのです。
しかし、セキスイハイムの営業担当をはじめ、ハウスメーカーの営業担当や銀行員はこのような個人的な家計まで踏み込んでアドバイスをしてくれることはありません。
教育費や老後年金問題は、住宅と同様にとても大切な支出項目です。
ご家族の数年先、10年先のライフプランを考え、その時々に必要なお金を計画的に準備することを前提に、住宅ローンの融資額や返済額を決めた方が将来の住宅ローン破綻やご自身の老後破綻を回避できるのです。
住宅ローンの借入額の考え方
金融機関から借りる金額を決める際には、マイホームの自己資金(頭金)をいくら支出するかも同時に決めなければなりません。
自己資金は、ご自身やご夫婦の預貯金すべてを充てるのではなく、お子さんの大学資金(教育費)や3年以内に支出することが決まっている資金(車の購入費等)は手元に残して、その残りを充てるようにしてください。
また、上記解説したように大学費用の積立てや個人年金などの準備も検討した上で、毎月の住宅ローンの返済に充てられる金額を捻出し、借入額を決めることをおすすめします。
これを計算式にすると以下のようになります。
どの金融機関から融資を受けて、固定金利で借りるのか、それとも変動金利で借りるのかは、別記事にて詳細を解説していますので、関連記事を参考にしていただければと思います。
なお、全期間変動金利型を選択する場合のアドバイスがあります。
変動金利型を選択した場合は、将来の金利上昇リスクに備える必要があります。
そのため、住宅ローン控除の還付金は10年間(消費税増税後は13年に延長)しっかり貯めておきましょう。手元にお金を貯めておくことで、繰上げ返済や借換えも選択肢に入れることができますので、金利上昇リスクにも柔軟に対応することができます。