住宅ローン破綻に注意!借りられる金額と返せる金額は違う

住宅ローン破綻に注意!借りられる金額と返せる金額は違う。家づくりの予算の考え方を紹介!

住宅ローン破綻に注意、ハウスメーカー側の思惑

ハウスメーカーは家を建ててくれるであろう見込客が記入したアンケートや申込書の年収を基に、大まかな建築工事総額を算定できます。

大手のハウスメーカーであれば、三メガバンクを提携銀行に持ち、社内で蓄積されたデータと経験から、見込客の年収に応じた銀行の融資上限額を算定することは難しくありません。

一般的には、提携銀行の仮審査を通す段階では、見込客の希望融資額より数百万円多い金額を希望融資金額欄に記入して銀行に提出します。

これは理由が2つあります。

 

1つ目は当初の予算よりもオーバーすることが経験則上多い。

2つ目は、融資本審査の段階で、希望融資額を減らす分には手続が要りませんが、融資額を増額する場合には再度審査が必要になるからです。

仮にこの融資希望金額で提携銀行の仮審査が通れば、ハウスメーカーの立場から考えると、建築工事上限額=希望融資金額という公式が成り立ちます

 

ハウスメーカー視点からすると、オプション商材を勧めるなど建築金額の上積み攻勢があるかもしれません。

 

住宅ローンをいくら借りるか

住宅ローンをいくら借りるかは、自己資金をいくら用意できているかといことに直結します。

自己資金の適正額は個々の家庭事情によって異なります。

ただし、「借りられる金額と返せる金額は同じではないこと」は間違いありません。

 

借りられる金額は、税込み年収を基に算定します。

返せる金額は、手取り収入を基に算定しなければなりません。

 

三菱UFJ銀行の場合で見ると、年収700万円であれば、約5600~5800万円まで借りることができます。

他方、年収700万円の手取りの金額は約535万円です(扶養家族により増減あり)。

 

535万円から以下の金額を支払っていくことになります。

変動金利0.625%で試算した場合

希望借入金額 5600万円
借入期間 35年
毎月返済額 103,938円
ボーナス月増額 267,163 円
諸費用  1,567,780 円
年間返済額  1,781,582 円
総返済額  63,923,150 円

 

 

 

毎月の家計負担

上記表を参考にすると、住宅ローンが10.3万円を除いた金額が生活費です。

教育費、生命保険料、衣服費、医療費、固定資産税などを支払う必要があります。

将来の修繕費の準備・火災保険の更新料

お子さんがいらっしゃる場合は、学費の準備も必要ですし、中学生や高校生になれば学費の他に塾代や部活に要する費用も嵩みます。

車を所有していれば、毎月のガソリン代、自動車税、車検代、自動車保険料も負担となります。

 

実際に新居に住み始めてから数年すると、

  • ボーナスが減った。
  • 残業代が大幅に減って手取りが少なくなった。
  • 固定資産税が高い。
  • 子どもの教育費が嵩む。
  • 火災保険の更新料を払う余裕がない。

住宅ローン破綻に注意!借りられる金額と返せる金額は違う

 

他人事ではなく、住宅ローン破綻者は急増しています。

変動金利は注意

また、「変動金利型」の住宅ローンは注意が必要です。

半年おきに金利が見直されるので、金利上昇リスクを考えておく必要があります。

お分りだとは思いますが、変動金利は上がることがあっても、借入時の金利より下がる可能性は滅多にありません。

不景気により給料が下がったり、ボーナス停止になった場合と金利上昇が重なれば、破綻リスクが高くなります。

 

返せる金額を試算

家計収支から毎月の返済可能額を計算して、その数字を基に借入額を算定することで、住宅ローン破綻リスクは回避できます。

 

実際に借りられる金額が5000万円以上でも、ライフプランを考えて毎月及びボーナス払いの返済額の無理のない範囲、今の生活費を前提に上限を自ら設定します。

例えば、

  • 毎月返済額を8万円以下
  • ボーナス払い20万円以下

の条件で融資可能額を試算すると借入額は約3600万円です。

この金額が返せる額です。

ボーナスが不定やカットの可能性があれば毎月払いのみで試算します。

銀行のホームページには、返済額から借入額を計算するシミュレーションがありますので、ご利用ください。