マイホームの頭金の平均や相場はいくら?2割必要はウソ。正しい自己資金の考え方


マイホームを取得(建築)するに際して、どれくらいの費用が掛かって、どれくらいの頭金(自己資金)が必要であるかは、ハウスメーカーの社員であっても「正解」を教えてくれません。

新型コロナウイルスによる市場の混乱や企業の経営危機で、住宅取得の予定も大幅に狂ったのではないでしょうか?

 

住宅取得に際して苦しい生活を送らなくて済むように、本記事では頭金の平均や相場、いくら準備するのがよいか、頭金の適性額について解説しますので計画的な資金計画を立てる参考にしてください。

 




 

頭金はいくら?平均額は?

増税対策も大切ですが、マイホームを建てるためには、頭金(自己資金)をいくら用意するのが適切なのか考えたことはありますか?

 

あればあるだけ頭金に入れるというのは無計画過ぎますし、500万円くらいと適当に支出するのもリスクが高いです。また、頭金の平均額や相場を気にする方もいらっしゃいますが他人の頭金を知っても意味がありません。

 

親世代や雑誌、インターネットの記事の中で、家を買う(建てる)のには頭金が最低2割は必要だなんて話を聞いたことありませんか?

 

頭金2割必要はウソ

そもそも家を購入する、建てる物件が決まっていないのに2割ってどれくらいでしょうか?

3000万円の2割なのか、6000万円の2割なのか、家を建てる土地・物件の広さ、物件の設備によっても全く異なりますし、戸建て(建売と注文住宅)かマンションかでも、現金が必要になる時期も用途も違います。

これは、かつて住宅金融公庫が物件の購入金額の8割を融資上限としていたからだと思います。

当時は、頭金2割を自己資金として投入し、残り8割を公庫から借りていましたので、「2割」という数字だけが名残りとして独り歩きしているのでしょう。

 

現在では、諸費用を含めて全額融資可能な銀行も多くあります。住宅ローンは現在の低金利では、銀行側に利益が少なく、少しでも顧客を獲得しなければ銀行間の競争に負けてしまうため、フルローンに対応して顧客のニーズに合った商品を取り扱う銀行もあります。

 

だからといってフルローンを勧める訳ではありませんが、少なくとも頭金2割準備しなければ住宅購入ができないということはありませんし、頭金2割は、根拠もない数字だということを押さえてください。

 

 

頭金の適正額

色々申し上げましたが、筆者は頭金の適正額を検討する上で「いくら出すかではなく、いくら手元に残すか」に尽きると考えています。

 

具体的には、3年以内に支出することが決まっているお金と、突発的な支出に対応できる予備費を手元に残した余りを住宅購入の頭金(自己資金)に充てるのが賢い自己資金の考え方です。

 

そうすると、建てる家も同じものは世界に二つとありませんし、その家に住む家族の人数や年齢、職業や収入など全てが異なり事情もそれぞれですので、他人がどれくら頭金を用意しているのか平均額や相場を知ることが無意味であることはご理解いただけると思います

 

飽くまでご自身や家族が無理なく安心して生活していける資金計画(予算組み)と住宅ローンの返済計画を考える必要があるのです。

 

 

 

ライフプランに合ったお金の準備

住宅については損得勘定で考えず、他人の意見に振り回されずに「わが家」の事情を基準に考えます。

 

具体的に言うと「今・この場所で・この予算で・家を買う(建てる)ことが・家族にとって・幸せに生活できる・正しい判断なのか・そのために数年先を考えて・いくら自己資金を準備するか」

ご家族それぞれの事情があります。

幼稚園、学校、進学、就職、友人関係、職場、周辺環境、親、介護、病院など今後、数年先、10年先のライフプランを踏まえた上で、用意ができるお金(頭金=自己資金)を考えてください。

 

 

例えば、来年に高校受験を控えた子どもの進学費用30万円、2年先に大学受験する子どものための200万円は、住宅購入のための頭金に充ててはいけません

少なくとも3年以内支出することが決まっているお金は必ずその用途に充ててください。

 

車の購入も同様です。3年以内に買い替え予定がある場合、今そのお金を車ではなく、住宅購入に充ててしまうと、次に車を購入する際にはカーローンを組まなければなりません。そうすると、その分の利息が掛かります。

 

住宅ローンは金利1%以下で、国内のローンの中では最低金利です。その2倍、3倍以上の金利でカーローンを組み、払う必要のない利息を払うのは本末転倒な行為です。

結局、住宅ローンとカーローンの二つの負債を3年、5年と抱えることになるので、家計が今以上に苦しくなることは容易に想像できます。




 

無理な自己資金の支出はリスクが高い

住宅ローンの組み方や返済の仕方は、契約時の状況ではなく、将来的な資金繰りに注目します。

手元のお金(貯金)が大幅に減ることになれば当然に突発的な支出に苦労することになります。

企業が倒産するときと同じです。

企業は赤字経営になったときに倒産するのではなく、資金繰りが悪化したときにバタバタと倒産します。それは家計も同じです。

 

 

無駄な利息を少しでも払うまいと自己資金を過分に支払う、または、早く住宅ローンを返済しようと繰り上げ返済を何度も実行する等、これらの行為は確かにお金の面からは利息を節約できる分、メリットは大きいと言えます。

 

一方で手元の預貯金が減る分、子供の教育費や突発的な医療費、帰省費用、交際費、車両の修理代など支払うべきお金が支払えなくなるというリスクがあるということも押さえておく必要があります。

 

繰り返しになりますが、3年以内に支出することが決まっているお金と、突発的な支出に対応できる生活防衛資金を手元に残した余りを住宅購入の頭金(自己資金)に充てるのが賢い自己資金の支出方法です。

 

すなわち「いくら頭金(自己資金)を用意できるか」ではなく、「いくら手元に残しておくか」を優先することが正しい自己資金の考え方と言えます。




 

 

最後に筆者自身の苦い経験からのアドバイスです。

苦い経験

筆者は、12年前に貯金から1000万円の自己資金を投入して新築の分譲マンションを購入しました。確かに利息は安く済み、毎月の返済額も少なくて済みました。

 

しかしながら、当時幼稚園の子どもの長期入院(それに伴う出費)、車のもらい事故に遭ってしまい、車を予定時期より前倒しで買い替えなければならない事態に陥りました。

 

さらに予想外の給料ダウン。不幸が数年内に何度も続いてしまい、自己資金を多く入れた上に、繰り上げ返済を実行していたので貯金が非常に少ない状態でした。

 

やむを得ずに、車はカーローンを組み、ボーナスは生活費の赤字補填に回すなどして何とか生活していましたが、手元にお金がない状態で突発的な出費に対応できず苦しい経験をしました。

 

そこで、二軒目のマイホームは、自分を含めた家族のライフプランを考えて、3年以内に支出するお金は住宅購入費に充てない、臨時支出に対応する生活防衛資金(100~200万円)を手元に残すことを肝に銘じて、分譲マンションを売却して、戸建て(セキスイハイムで注文住宅)を建てるための自己資金をいくら投入するかを考えました。

 

新生活では、最初に家具や家電を新調することが多いので、予想以上に出費が嵩むことも頭に入れておくべきです。

 

ここでは、筆者の個人的な感想で記事を書かせてもらいました。これが正しい方法ではありませんが、少なくとも苦い経験を踏まえての意見です。

読まれた方には、誤った根拠のない常識から抜け出して、それぞれのライフプランに合ったお金を使い方、お金に対する考え方を知ってもらいたいと思いました。

 

家づくりのヒントになる面白いブログがいっぱいあります。


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