セキスイハイムの後悔・失敗しない間取り
まず、セキスイハイムの後悔・失敗しない間取りを考える上で、セキスイハイム特有の事情を押さえることが大切です。
それは工場生産によるユニット工法を採用し、決まった間取図(設計図)どおりに工場で各居室が製造されます。
そのユニットが工場から現地に輸送されて組み立てられるという流れのため、発注段階で窓を一つ設置したいと要望しても工場のラインで既にユニットの製造が開始されたら変更は無理です。
浴室や階段は工場で既に作られて現地に運ばれてくるので、和室を洋室にという内装工事の変更は可能ですが、階段や水まわりの位置の変更は利かないと考えて良いでしょう。
また、ユニットの柱は特別な工法によって抜くことができるものの、一般的には広々としたリビングの間取りを考えている場合でも、ユニットと柱が抜けない場合があるほか、使用するユニットサイズによっては、段差が生じる場合もあることを押さえておいてください。
間取り失敗事例
それでは実際の間取りの失敗例を紹介します。
リビングからトイレが見える(目隠し必要)
LDKと同じ空間にトイレを設けるのは避けた方が無難です。
LDKとトイレと間に廊下等の仕切りがない、トイレのドアを開けてすぐにリビングに繋がっていると、音や臭いという問題もありますが、来客や年頃の娘さんをお持ちの方にも是非避けたい間取りです。
※下図の間取りは実際に販売されている建売物件です。LDKと同じ空間にトイレがあり、目隠しの柱(壁収納)はありますがキッチンから丸見えです。
お客さんが手洗いに立ってトイレのドアを開けて出てくるまで見える訳ですから、気まずいのは想像に難くないですよね。
ただ、こうした間取りの物件はセキスイハイムの建売物件にも見掛けます。注文住宅では避けるに越したことはありません。
また、トイレとは異なりますが、脱衣室・浴室も同様です。お風呂上がりに必ずリビングを通らなければならないのは避けたいところです。
可能であれば脱衣室には二箇所に出入り口を設けるか、LDKとは別の空間(廊下を設けて)に浴室・脱衣室を設けることをお勧めします。
これは特に年頃の女の子がいるご家庭は検討が必要です。
LDKに入るとキッチン丸見え
玄関から廊下を抜けてリビングドアを開けると、奥様が料理をしているキッチン内が丸見えという間取りもあります。
キッチンカウンター内部が見えないような工夫(カスミ硝子の引き戸を設置する等)をしなければ生活感がオープンになるリスクを十分に考えておく必要があります。
特に友人や親族など来客が多いお宅の場合やお子さんの友達が頻繁に来られるご家庭では料理中もそうですが、それ以外のときの片付けを徹底しておかなければならないなど何かと気を遣います。
狭い玄関は失敗の素
LDKを広く取り過ぎて玄関が狭く、外出から帰宅して家族数人が同時に玄関に入るとき一人ずつ入らなければ渋滞するような狭い玄関スペースは避けたいところです。
玄関たたきに余裕をもたせなければ狭く窮屈な玄関になります。
玄関は「家の顔」ですので、大人が2人横に並んでもゆとりのある広さを確保することをお勧めします。
また、居住する家族が少ない場合は良いのですが、家族が多かったり、お子さんがいらっしゃるご家庭では、玄関の収納スペースが十分でなければ家族の靴や物が玄関や玄関前に溢れるケースが多いです。
玄関の収納スペースの確保は居住人数が多ければ必須課題となります。
理想的な間取りは、玄関に2、3畳程度のウォークインシューズクロークや土間から入れて通り抜けできる納戸を設けることです。
家族の靴や傘、遊び道具などを片付けることができ、玄関は綺麗を保ち、機能面としても生活がしやすくなります。
壁に可動棚やパイプハンガーを設置することで玩具やガーデニング用品、コート類等の上着を一時的に掛けるスペースがあるだけでもリビングのソファやダイニングの椅子に掛けてしまうということは避けられます。
下写真は家族専用のウォークインシューズクロークです。
お客様と家族専用の上がりを設けることで、いつも綺麗で片付いた玄関になります。
また、家族専用の通り抜けできる動線を設けることで、使い勝手も良くなり、メインの玄関をいつまでもスッキリとした空間に保つことができますので、シューズクロークを検討される方は間取りのプランニング時に効率的な動線を考えてみてください。
シューズクロークを設ける際は開閉できる窓を付けることで、明り取りや湿気・臭い対策にもなります。
吹き抜けリビングは寒くて後悔のリスクあり
リビングを開放的な吹き抜けにすることで、明るく視覚的にも広く感じるようになりますし、シーリングファンなどを設置することで見た目にもお洒落です。
しかしながら、吹き抜けリビングは失敗や後悔の声があるのも事実です。
冬は1階で温めた空気が2階部分へ抜けて行くため暖房効率が悪く、夏は熱気はすべて2階部分へ上がるため、1階は冷房で涼しくても2階は非常に暑いというデメリットがあることは理解しておきましょう。
また、吹き抜けに窓を設けた場合は光が入りやすくなる反面、眩しかったり、太陽の熱で暑くなり日光を遮るシェードやロールスクリーンが必要になる場合もあります。
特にリビングでテレビを鑑賞している際に、窓を設ける場所とテレビを置く位置によっては、テレビ画面が見づらいという事例もありますので、吹き抜けリビングの高い位置に窓を設置する際は、太陽の動きと日中家族が過ごす位置を考えた方が良いでしょう。
なお、吹き抜けによって2階部分が削られるため、家族が増えた場合などは居室が足りなくなるといったデメリットが多いのも事実です。
居住人数や将来の家族構成などをよく考えた方がよさそうです。
リビング階段
リビング階段を設けて失敗したという声もあります。
一つは音の問題、リビングのテレビの音が2階の居室にも届いてしまいます。
二つ目は、来客時には2階から1階への移動はリビングを通らなければいけません。
例えば、お子さんが友人を招いたときにリビングが散らかっていたり、父親が休日だからとだらしない格好をしていると気まずい思いをすることもあります。
「家族のコミュニケーション」を理由にリビング階段を設ける施主も多いのですが、リビング階段を設けなければコミュニケーションが取れないといったことはないと思います。
やはり年ごろのお子さんはどういう間取りであれ親と一定の距離感を取りたがるのは成長過程では必要なことですので、数年後の家族の成長やライフプランを考えて、コミュニケーションに固執し過ぎない家族の心地よい距離感も家づくりにおいては大切だと考えます。
ドアの干渉(開き戸の多用)
開き戸を多く設置する場合には、ドアとドアが干渉しないか、家族の移動にドアの開閉が支障にならないかをよく確認する必要があります。
例えば、リビングに出入りするドアとトイレのドアが干渉する、もしくは同時には開けられないといった間取りになっていないか営業担当や設計担当、インテリア担当を巻き込んで複数の目で確認することが大切です。
リビングドアとリビング横の収納の折れ戸が当たってしまうケースなど、実際に住んでみると非常にストレスになりますが、意外と失敗・後悔事例で多いのも事実です。
また、見落としがちなのは、居室のクローゼットの折れ戸とカーテンレールの端が干渉することがありますので、カーテンレールを後付けする場合には注意が必要です。
寝室や子供部屋などのクローゼットの扉は、折れ戸を採用しているケースが多いため、折れ戸を開いたときにカーテンレールやその他の物に当たらないか設計段階から気を付けておくことをお勧めします。
ドアの干渉を防ぐ最善の方法は引き戸の採用です。
廊下・階段が狭くて家具が入らない
回り階段や廊下の曲がり角などベッドやピアノ、ダイニングテーブル、ソファなどの大型家具や冷蔵庫などの大型家電の搬入が難しい間取りになっていないか、十分な広さを確保しているかをご確認ください。
間取図には、図面上の寸法と実際に使える有効寸法がありますので、実際に通れる幅が何センチかを確認した上で搬入予定・購入予定の家具や家電を選ぶ必要があります。
実際に購入して家にリビングやキッチン、2階に搬入できない場合は、家具を分解したり、クレーンを使ったり、キャンセルせざるを得なくなったり、予期せぬ費用が発生する場合もあります。
家具や家電を購入する前に商品名を伝えたり、商品のカタログを営業担当やインテリア担当、設計担当に渡して搬入経路等を確認する方が間違いないでしょう。
リビングの奥に洗面所・浴室は失敗
玄関から入って、リビングを通って奥に洗面所や浴室を設ける場合は、帰宅した子どもの動線を考える必要があります。
部活や外遊びで汚れて帰宅した場合に、浴室・洗面所に直行して一刻も早く着替えや手洗い、シャワーや入浴をさせたいことも多いと思います。
しかし、リビングの奥に浴室を作った場合、子どもが泥んこになって帰ってくると、リビングや廊下が砂や土でザラザラになってしまうことを覚悟しなければなりません。
特にお子さんがいらっしゃるご家庭では、お子さんが帰宅後、浴室に直行できるような動線を考えておく方が良いでしょう。
これは子どもだけではなく、大人であってもジムで運動をして帰宅した後、真夏に汗ビッショリで帰宅した場合にはシャワーを早く浴びてさっぱりしたいですよね。
バルコニーが狭い・庇(屋根)が無い間取りは失敗
バルコニーに洗濯物を干すことを考えている場合には、壁から最低1.5mの奥行き(幅)が必要です。
奥行きが狭いバルコニーの場合、洗濯物が風で壁や窓に当たる可能性があります。
毎日の家事ですので、ストレスを感じずに洗濯物を干したり、天気の良い日に布団を干すことを考えれば、スムーズに動くことのできる余裕をもった空間が望ましいです。
横長でカニ歩きしかできないような窮屈なバルコニーの場合は、ストレスになることに加えて利用価値が低いため追加費用を出してまで作る必要はないかもしれません。
その分、1階の庭に庇や屋根を付けた洗濯物を干すスペースを設けた方が家事動線も効率的になることの方が多いため、バルコニーを設ける場合は広さにはこだわりたいところです。
セキスイハイムのスマートパワーステーションシリーズは深い庇があるバルコニーを設けることができますので、洗濯物を干したり、趣味のプライベート空間として活用できます。
子ども部屋の学習机とベッドの配置
子ども部屋の広さや家具の配置は後回しになったり、具体的に机やベッドをどこに配置するか引越しの際に決めるご家庭も少なくありません。
特に学習机は高さがあるため、部屋に搬入すると予想した以上に部屋が狭く感じます。
学習机は正面に本棚や照明が付いているタイプのものは、壁付けができるスペースに置かなければ窓を潰すことになりますので注意が必要です。
採光のために窓を多く取ってしまい、本棚や机が壁付けできないといったデメリットも生じます。
間取りを作成するときには、学習机・ベッド・本棚(キャビネット)といった家具を置くスペースをあらかじめ決めるのもポイントです。
また、兄弟二人以上で一部屋を使用して将来分ける予定がある場合は、窓の配置やドアを二つ設置するなど、お子さんの年齢や人数、独立するまでの年数などを勘案して間取りを考えなければなりません。
窓ガラスをカスミ硝子にして視線を遮断
間取りとは直接関係ありませんが、リビングの窓と隣家のトイレの窓や勝手口ドアが向い合わせになってしまったというような事例も起こり得ます。
隣家が既に建っていれば事前に対策も立てられますが、そうでない場合には後から目隠しフェンスを設置するのも嫌味な感じがして気が引けるという気持ちも分からないではありません。
リビングが人通りに面している場合や、隣家との距離を考えてリビングが丸見えになる場合には、視線をコントロールできるような間取りを作成する段階から考えておかなければなりません。
隣家や道路を含む敷地全体から俯瞰してリビングを家のどこに持ってくるのか、窓をどこに付けるのか、外構工事のプランニングも含めて視線を意識するだけでも失敗を防ぐことできます。
日当たりがよいのに視線が気になってカーテンが開けられないということもよくある話です。
隣家と接している居室等の窓はカスミ硝子を採用するなどして視線を遮断することでストレスはなくなります。
建築中のタイミングにもよりますが、隣家と接する窓がどの位置にくるか、隣家がカスミ硝子を採用していない場合にどうするかなど、同じハウスメーカー同士であれば営業担当を通して情報収集を行うのも賢明な方法です。
失敗しないためのコツ
画像・写真を共有
セキスイハイムで間取りの提案を行うのは営業担当です。
2級建築士資格を持っている営業担当に当たれればラッキーですが、そうでない営業担当の方が圧倒的に多いため経験値に差がでます。
これまでの自らの経験や同僚の建築実例などを参考にしていることも珍しくありません。
施主側も営業担当任にせずにどんどん希望や要望を伝えていきましょう。
どちらかというと間取図はセキスイハイムの社員と施主が理想や希望・イメージを共有して協働で作るものと考えておきましょう。
インターネットでは間取りに関する画像も多く掲載されていますので、イメージするリビングや間取りの画像を営業担当やインテリア担当にメールで伝えたり、カタログを渡してイメージのミスマッチを防ぐことが失敗を回避する賢い方法です。
セキスイハイムのホームページや展示場巡り
セキスイハイムの公式ホームページの展示場には建築実例が多く掲載されていますし、全国のセキスイハイムのホームページの実例を参考にするのも失敗を回避できます。
もう一つは完成見学会や建売物件を数多く見学すること、展示場を数多く回ったり、全国のセキスイハイムの展示場を閲覧して採用したいものを探すことで良いアイデアに巡り合えたり、具体的な商材を調べてもらうことも可能となります。
図面に動線を書き込む
間取りを考えるときは、家事動線や家族の通勤・通学動線を書き込むことで具体的なイメージが湧き、無駄のない効率的な間取りに近づけることができます。
朝起きて寝室や子ども部屋から、ダイニングや洗面所に移動し、身支度を終えて玄関までの動線を間取図に書き込みます。
奥様であれば、朝食やお弁当の準備をしながら子どもを学校や保育園に送る準備をし、並行して洗濯機から洗濯物を取り出してバルコニーで干すまでの動線を書き込むなど、日常の行動を間取図に落とし込んでみましょう。
部屋の配置や水まわり・階段・バルコニーの配置が動線と矛盾したものになっていないか、勝手口は本当にその場所でよいかなど、より具体的に考えることができ失敗が少なくなります。
最後に
間取りについては、現在の住まいの悩みをベースにしながら、数年先、10年先の将来の家族構成や家族の成長に合わせた住みやすいプランを考える必要があります。
ただし、失敗しないと言いながらも住み始めてみると「やっぱりこうした方が良かったな」と思うことは出てきます。
予算との兼ね合いや敷地や立地条件等との兼ね合いの中でどうしても理想と現実とで妥協せざるを得ない点があるのはやむを得ないことです。
完成した家に住んで家づくりを振り返ってみると、漠然としたイメージや理想・希望だけで突き進むよりは、営業担当やインテリア担当、設計担当、外構工事担当と理想とする家のイメージを共有しながら協働することが失敗しない家づくりの基本だと思います。
時間に余裕があるときに数多くの建築実例を閲覧されることを強くお勧めします。
初めての家づくりで失敗しないコツ
セキスイハイム以外にも様々なメーカーがあり、貴方に合った、希望を叶えてくれるメーカーに出会うことが一生に一度しかない家づくりに非常に大切だと思います。
ただ、闇雲に住宅展示場に行っても一日に回れるメーカーは限られており、折角来た客を逃すまいと営業マンも必死ですから、ゆっくりと時間を掛けてマッチングを図るのは限界があります。
そこで、無料で自宅にいながら、全国のハウスメーカーから「あなたオリジナルの間取りプラン・見積もり」を取り寄せることができるサービス(タウンライフ家づくり)がありますのでご活用ください。
- コロナ禍で人と会わずにハウスメーカーの特徴を知りたい
- 同じ条件でハウスメーカーの概算費用を比較したい
- 希望に合う間取りプランを提案してほしい
- 営業マンとの会話が苦手
- 小さな子どもがいてゆっくり聞けない
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