マンション売却・媒介契約の種類とリスク

マンションを高く売却するための不動産仲介業者との媒介契約の種類と注意点

この記事は約 6 分で読めます。

依頼主
10年前に購入したマンションも子どもが大きくなると手狭になったな。そろそろ一戸建ても考えないと。でも、このマンションっていくらで売却できるんだ? 
マンションを売却する場合には、不動産仲介業者に依頼することが一般的です。
しかしながら、不動産売却なんて一生に一度あるかないかのことですから、契約した仲介業者の言うとおりにしていると、知らず知らずのうちに多くの損失を被る可能性もあります。

マンションを売却するためには仲介業者との間で媒介契約を結んで営業活動を行なってもらうことになりますが、媒介契約といっても種類があり、どの契約を結ぶかで不動産業者の営業活動も変わってきます。

本記事では、マンションを高く売却するために、マンション売却にあたって、仲介業者と締結する契約について説明します。

マンションを高く売る、媒介契約の種類

媒介契約の種類

  1. 一般媒介契約
  2. 専任媒介契約
  3. 専属専門媒介契約

媒介契約には3つの種類があるので,特徴や違いをきちんと理解して後悔のない不動産売却を行いましょう。それでは、以下、説明します。

一般媒介契約とは

一般媒介契約では、複数の不動産仲介会社へ同時に媒介契約を依頼することが可能です。不動産仲介会社にとっては生じる義務が最も少ない媒介契約になります。

依頼者にとっては、複数の仲介業者に依頼でき、拘束されないというメリットがあります。

加えて、販売開始当初は、契約した仲介業者が一斉に自社の顧客達へアプローチを行うため、価格のマッチング次第で短期決戦で購入希望者が現れやすいというのが最大のメリットです。

一方で仲介業者側からみると、専属専任や専任と比較して利益が不確実なため、広告費など積極的な営業活動をしないケースもあります。

たとえ営業費を掛けて活動を行なっても、他の仲介業者が紹介した購入希望者と契約が成立すれば赤字に終わるからです。

コストと時間を掛けても一般媒介で競合する会社が多いほど無駄仕事になる可能性が高まるため、価格自体の値下げ提案や価格交渉前提での購入申込みが入りやすくなる点がデメリットです。

契約する仲介業者の営業担当の手綱を引いてコントロールできる依頼者や人気エリアの物件などは、購入希望者も見込まれることから一般媒介契約でもよいかもしれません。

 

専任媒介契約とは

依頼者が他の仲介業者に重ねて依頼することができない専任媒介契約です。

依頼者は他の業者への依頼が禁止されますが、自らが買主を探すことは制限されません。

(1)依頼者の利益が損なわれることのないように専任媒介契約の期間は3か月を超えることができないこと、依頼者の申し出によりこれを更新するときも更新のときから3か月を超えないこと
(2)仲介業者は2週間に1回以上依頼者に業務の処理状況を報告すること。
(3)媒介契約締結の日から7日以内に指定流通機構に当該物件に関する情報を登録することなどを義務づけている。

上記が宅建業法で定められており、仲介業者に適切な業務遂行を促すとともに依頼者が仲介業者の活動状況を定期的に確認する機会が保証されています。

したがって、依頼主にとって次のようなメリットがあります。

  • 不動産会社からの報告頻度が高く設定されているので、売主が販売状況を把握しやすい。
  • 広告費用を掛けるなど積極的な販売活動を行ってもらいやすい。

一方で、1社のみに任せるため、その業者の力量次第で売却の時期や金額が左右されたり、他社との競争がないために、営業が活発でないといったデメリットもあります。

 

専属専任媒介契約とは

売却活動の全般を1社に任せる契約です。他の仲介業者に重ねて仲介を依頼することは契約で禁じられています。

また、依頼者が自分で見つけてきた相手方についても依頼した仲介業者を通して取引することが義務づけられています。

このように専属専任媒介契約は依頼者に対して拘束力の強い契約のため、専属専任媒介契約で仲介依頼を受けた業務については、専任媒介契約同様に法的義務が課せられています。

(1)依頼者の利益が損なわれることのないように専任媒介契約の期間は3か月を超えることができないこと、依頼者の申し出によりこれを更新するときも更新のときから3か月を超えないこと。
(2)仲介業者は1週間に1回以上依頼者に業務の処理状況を報告すること。
(3)媒介契約締結の日から5日以内に指定流通機構に当該物件に関する情報を登録することなどを義務づけている。

多くの仲介業者はこの専属専任媒介契約の締結を勧めてきます。

依頼主にとって、次のようなメリットがあります。

  • 不動産会社からの報告頻度が最も高く設定されているので、売主が販売状況を把握しやすい。
  • 契約を結んだ不動産会社でしか仲介できないため、専任よりも広告費用を掛けるなど、積極的な営業活動が期待できる。

一方で、デメリットについては専任媒介契約同様ですが、加えて、自分で買い手を見つけても不動産会社を介さずに売ることはできないといった特有のデメリットもあります。

なお、複数社に査定を依頼して、「この会社なら」「この営業マンなら」と任せられる人に出会えばこの契約をすることが良いと思いますし、実際に多くの依頼者は専属専任媒介契約を仲介業者と結んでいるという現状があります。

 

物件の囲い込み・不正操作リスク

専任媒介契約・専属専任媒介契約の場合、仲介業者に登録している会員(特定エリアの物件希望者)を購入希望者として早々に依頼者に紹介することがあります(両手仲介)。

この際、物件の囲い込みを行うことがありますので最大の注意が必要です。

つまり、他の不動産業者にお客さんを取られないように意図的に売買情報を表に出さなかったり、十分な営業活動をしないことを指します。

たとえ購入希望の問い合わせがあったとしても「交渉中・商談中」などと偽り断ってしまうことがあります。

一見してリスクは無いように感じるかもしれませんが、弊害として表れるのは価格の不正操作です。

両手仲介の場合は仲介業者にしてみれば、依頼者と購入希望者の両方から契約が成立した場合に仲介手数料が得られるため、他の不動産会社に購入希望者を取られる前に、両方の金額の歩み寄りを試みて、なんとか成約させたいという意向が働きます。

そのため、仲介業者は依頼者に値下げさせて早々に契約を結ばせようとあの手この手で値下げを勧告してきます。

(次ページで営業トークの注意点を紹介)