セキスイハイムは坪単価が高いことで有名です。本記事は、セキスイハイムの坪単価と、2019年版坪単価を10万円下げる3つの方法、そして注意点を解説するもので、これからセキスイハイムで家を建てようとお考えの方には必ず参考になります。どうぞ最後までお付き合いください。
Contents
坪単価の全国平均
まずは、坪単価の定義から簡潔に説明します。坪単価とは,建物の床面積1坪(約3.3㎡)当たりに建築費がいくら掛かっているかを算出したものです。
計算方法は,家の本体価格 ÷ 延床面積(建物の床面積の合計)= 坪単価坪単価の全国平均は,50万円〜60万円が相場です。これは一から家作りを行う注文住宅から建売住宅など全て含めた金額の平均です。ローコスト住宅から富裕層が住む高級住宅まで含まれます。
例:本体価格4000万円で延床面積が40坪の場合
4000万円 ÷ 40坪=100万円 (坪単価は100万円です。)
ハウスメーカーによって本体価格に含めるものが異なったり、延床面積ではなく施工面積で算出したりと、実は坪単価を算定する上で共通のルールはありません。
例えば、玄関ポーチや二階の吹き抜け部分も含める施工面積で計算した場合には、分母の数字が大きくなるため,当然に坪単価は安くなります。細かい点の計算方法がメーカーによって異なるため、坪単価が高いからといって直ぐに敬遠するのも、逆に安いからといって飛び付くのも注意が必要です。
セキスイハイムの坪単価は高い
セキスイハイムの坪単価については,住宅産業新聞の調査結果は下表のとおりです。
年度 | 平均単価 | 平均床面積(坪) | 平均坪単価 |
2017年 | 3110万円 | 37.2 | 83.7万円 |
2016年 | 3060万円 | 37.2 | 82.3万円 |
約37坪の住宅で平均坪単価が83.7万円で、三井ホームや住友林業、積水ハウスに比べると低い坪単価ですが、大手ハウスメーカーの中では高い位置にいるのは間違いありません。
セキスイハイムの坪単価は、建物本体工事費及びその他工事費を床面積で割ったものであり、屋外工事・外構工事費・地盤補強工事等の付帯工事は含まれていません。
セキスイハイムの坪単価を下げる方法①
それではセキスイハイムの坪単価を下げる具体的な3つの方法の1つ目を解説します。同社の坪単価の計算は「①建物本体工事費用+②その他工事費用」です。
窓や勝手口ドアの数を減らす
上記①建物本体工事費用を少しでも抑えようと考えるなら、窓の数を減らしたり、勝手口ドアを付けないだけでも30万円~50万円近くのコストカットに繋がります。
【下写真はピクチャーウィンドウ】

勝手口は本当に要るのか、付けた場合は隣家との距離や隣家の窓位置で、プライバシーが守られるか、意外と多いのは勝手口を出ると隣家の勝手口と対面するので、目隠しスクリーンを後付けしなければならないため余計に費用が掛かったという事例もあります。
小さな窓1つでも3万円を超えますし、掃き出し窓の場合には10万円以上します。上記写真のピクチャーウィンドウの場合はさらに高額ですので、標準の掃き出し窓を採用するだけでもコストカットになります。
間取りを考える時点で、動線の合理性や自宅を取り巻く周辺環境・隣家との距離や隣家の窓・勝手口の位置、プライバシーの確保を考慮して、窓や勝手口の要否を熟考ください。窓を減らしたり、勝手口を付けないだけで、坪単価を3万円前後下げることになります。
快適エアリーなど設備の取捨選択
注目すべき点は②「その他工事」にあります。その他工事の内容はセキスイハイムの主力設備である、太陽光発電システム・蓄電池システム・HEMS・外壁磁器タイル・快適エアリー等です。
これら設備を全て導入すれば非常に高額な工事費用が上乗せされ坪単価は上昇しますので、割り切って特定の設備(例えば蓄電池システムは採用しない等)と決めると確実に坪単価は下がります。
また、外壁磁器タイルを採用するものの、上位外壁であるレジデンスタイルG/Nは選ばずに、ラスティックタイルを採用するだけでも、約70万円~100万円(※建坪で差額は異なる)の節約に繋がるため、結果として坪単価は3~5万円下がります。

また、セキスイハイムのキャッチフレーズ「あったかハイム」の実現に欠かせない全館空調システムである快適エアリーを採用しない場合も約80~100万円前後のコストカットになるため、坪単価を3~5万円程度下げることができます。
このように魅力ある設備は多いのですが、必須設備ではないために採用しなければ生活に支障が生じるというものではありません。特に外壁磁器タイルの上位商品レジデンスタイルは見栄えを良くする以外は他の磁器タイルと性能に変わりはありません。
坪単価を下げる方法②
坪単価を下げる2つ目の方法は、建物本体はセキスイハイムの標準仕様の部材・商材・設備を極力採用することです。
例えば、フローリングの床材、ドア、階段、収納、浴室、システムキッチンなどの水廻り設備は、セキスイハイムの標準仕様から選択し、グレードアップした上位商材や提携メーカーの商材(これらをオプションと指します)を選ばないことで、追加工事や追加費用を抑える極力抑えることができます。
例えば、リクシル、タカラスタンダード、パナソニック、クリナップといった設備メーカーにはセキスイハイムの標準仕様のシステムキッチンのシリーズが用意されています。
これは大量の注文に備えて一定の商材で揃えた規格のものをあらかじめ用意することでコストダウンを図っています。
このようなセキスイハイムの標準仕様のシステムキッチンを採用するだけでも大きなコストカットに繋がり、結果的に坪単価を下げる効果があります。
標準仕様のシステムキッチンといっても、装備は充実していますので通常使用に過不足はないと思います。
「これに食器乾燥機を付けて、水栓はセンサー式に変えて」と部分的なものをグレードアップしていけば、大きな価格上昇にはならないと思いますので、メインで利用されるご家族の方の意見を優先的に反映して予算のバランスを取ることをお勧めします。
坪単価を下げる方法③
最後の3つ目の方法は、建物工事請負契約前(間取完成後)に、設備や諸経費を含めた資金計画書が出来上がります。
そこに建築費総額が記載されていますので、この総額に対して値引き交渉を行います。
これには理由があり、建物工事請負契約を結ぶ段階では、①水回り設備、②インテリア工事、③外構工事は何も決まっていません。
請負契約を締結した後でセキスイハイムで家を建てることが決まったら、上記①②③を打ち合わせて決めていくという手順になりますので、「値引き交渉は全部決まってからでいいかな」なんて悠長な姿勢でいると大損することになりますので注意してください。
工事請負契約を結ぶ前に、資金計画書記載の総額から500万円前後の値引きを引き出さなければ、インテリア工事や外構工事等の付帯工事で費用が嵩み、結果的に予算オーバーという事態になりかねません。
裏を返せば、この請負契約を結ぶ前に大きな値引きを引き出すことができれば、効果的に坪単価を引き下げることに繋がります。
2019年は消費増税により増税前後でどれくらい住宅業界に影響があるのか政府や経済界も計りかねている状態です。
増税に備えて住宅ローン減税の期間延長措置や新築には、最大35万円相当の商品と交換できるポイントを付与する補助金制度である次世代住宅ポイント制度が予定されており、増税後の冷え込み(買い控え)を低減するためにセキスイハイムもキャンペーンに打って出る可能性があります。
また、スマートパワーステーションGRなど新商品発売後に家を建てる際には、キャンペーンを設けていたので、今後も大幅値引きが狙えるチャンスでもあります。
さらに、お勤めの会社の福利厚生等でベネフィットステーションを利用されている場合は、建物本体価格3%のOFFなどの特典もありますので、様々な特典やキャンペーンを駆使して値引き交渉を進めます。
具体的な交渉方法は下記関連記事を参照ください。
(関連記事:値引き交渉)
最後に注意点
上記①~③の方法を行うことで、坪単価を10万円下げることは難しくありません。
ただし、気を付けていただきたいのは、坪単価という一つの目安もハウスメーカーの比較検討には大切ですが、比較材料に過ぎません。
最終的に注視するのは総建築費用(総額)です。
打ち合わせを進めていく中で、坪単価の数字は気にならなくなると思います。その理由は、打合せの最終段階になってくると、いくら自己資金を充て、いくら住宅ローンを借りる必要があるのかが現実問題になってくるからです。
その段階でセキスイハイムの坪単価がいくらなのかと考える余裕も無ければ、仮に考えても現実的に意味がないからです。
坪単価は飽くまでもハウスメーカーや工務店の比較材料に過ぎず、安いからといって飛び付くのはリスクが高いです。
その数字はハウスメーカーが独自算出したもので根拠となる数字の出し方がメーカーによって異なり、一見安くても打ち合わせを進めていくと、追加、追加で結果的にローコストにはならなかった、大きく予算オーバーしたという失敗はよく聞く話です。
坪単価は飽くまでも目安に過ぎない、過大に反応する必要はないと思っていただいて結構です。
それよりも、上記3つの方法を駆使することで建築費総額を押さえることができますし、結果的に坪単価を下げることに繋がります。
この記事も読まれています。
(関連記事:坪単価と40坪の家づくりの価格と予算)
(関連記事:値引きのカラクリに騙されない)
家づくりのヒントになる面白いブログがいっぱいあります。