セキスイハイムは頑丈なボックスラーメン構造をベースに住まいをユニット単位に分割して工場内で家づくりを行っていますが、インターネットの投稿掲示板では「ユニット工法は間取りの自由度がない」といった書き込みも見つけました。
本記事ではセキスイハイムの工場生産の家づくりの代表格であるユニット工法について、その構造の頑丈さや設計の自由度についてご紹介します。
高層ビルに採用されるボックスラーメン構造
セキスイハイムの基本構造は、柱と梁をボックス型に接合したユニットを積み重ねてつくるボックスラーメン構造です。頑強なユニットの構造体は地震にも強く、阪神淡路大震災・新潟県中越地震においても倒壊ゼロ、東日本大震災では、地震そのものによる倒壊はゼロ(津波・地盤被害はあったようです。)を実証しています。
ユニット工法は自由設計に適う?
セキスイハイムは、25種類の大小ユニットを組み合わせて家を作るユニット工法を採用しています。
工場で生産する鉄骨ユニットというと「間取りが自由にとれないのでは?」と思ってしまいますが、実際には88種ものサイズバリエーションをもつユニットを組み合わせて「枠」を作り、その中は部屋などの空間を自由に仕切ることができます。
鉄骨の柱と梁だけで基本構造が成立するので、耐震性にバラつきがなく、自由に間取りを設計することが可能だとセキスイハイムのHPでも謳っています。実際はどうなのでしょうか?

ユニットのサイズ
大きく分けて1.8m、2.7m、3.6m、4.5m、5.4m5種類のサイズがあります。このほかにも特殊なユニットがあり、それらを組み合わせて「自由設計」という名の、施主の希望に合った間取りを提案していきます。

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ハイムのラーメン構造ユニットは、柱に100mmまたは120mmの角形鋼管。天井梁は200mm。床梁は150mmのたわみの生じにくい形鋼で構成されています。
ユニットの柱
間取りを考える上では自由設計と言いながら、やはりユニットの梁や柱の関係で、完全に自由設計とはいかない現状があるのではないかと考えます。
たとえば、ユニット同士を繋ぐ場合に柱がどうしても、間取りの取り方によってはLDKに出てくる場合があります。
このような場合は、Cレン(「ハイビーム工法」)を用いることで最大約32畳(11m×4.7m)もの柱や壁が出ない空間をつくることも可能です。
実際には、Cレン工法で柱を抜かずに、柱を活かしてカウンター、間仕切り、収納やニッチなどに利用するインテリア事例が多いのも事実です。
その場合は太い柱がLDKに現われるため、タイルを貼ったり、格子を付けたり、収納を付けたり機能的にお洒落に活用するのがお勧めです。
柱の利用方法
インターホンモニターや太陽光発電システムのモニターを設置するスペースにしたり、リビングとダイニングを分ける間仕切りにしている設計も多くあります。
柱を抜かずに上手く利用すれば、それはそれでアクセントと実用性を兼ね備えたスペースになります。

収納やカウンターをオプションで採用すれば、非常にお洒落で機能的な収納や飾り棚にもなるため、インテリアコーディネーターとの打合せの中でその活用について決めていくことをお勧めします。
最後に筆者の戯言
実際に間取りの打合せの中で、幾度も「設計に確認します」という言葉を聞きました。
自由設計を謳いながらも設計上難しい工事も多々あるのが現状のようです。
しかし、これはどのハウスメーカーを選んでも直ぐには分からないことです。間取図を繰り返し作成する中で、「できることとできないこと」が少しずつ分かっていきます。
ただし、その段階ではハウスメーカーがある程度絞られてきている状態なので、後には引き返せない状況になりつつあります。したがって、間取りの要望を出す段階で「できないこと」を一つでも引き出すことが大切になってきます。
たとえば、セキスイハイムの場合は床下の空間に快適エアリーを設置するため、ピットリビングを採用することはできません。営業担当を通して設計担当にも何度か確認を取ってもらいましたが、無理でした。
新築戸建てのリビングにピットリビングを採用したい方はセキスイハイムとは縁がなかったと思うしかありません。
(関連記事:ピットリビングのメリット・デメリット)
100点満点の家を作るのは予算の都合上難しいこともありますが、少しでも理想の家に近づけるように多くの要望を出して、営業担当や設計担当、インテリア担当と擦り合わせを行いながら妥協点を見つけていくことも必要になってきます。
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